ホオズキ のバックアップ(No.16)

走馬灯に照らされて 僕はほおずきをかんで

ナス科ホオズキ属の多年草。原産地は東南アジア。提灯や灯籠の様な独特な形の果実で有名な植物。

英名は　”Chinese lantern plant”、中国名“酸漿”または“金灯”“錦灯籠”

英名がウキツリボクと似てる為に単語を加えた可能性が微レ存。

ちなみに　ホオズキ属の英名はPhysalis。フィサリス、ピサリスと読む。サイサリスと読むこともあるが、実は読み違いだったりする。
はいそこ、デンドロ師匠や派手な姉にガベランと組ませたいと思っただろ？心配するな、俺もだ。

日本ではヌカヅキ、カガチ(蛇の意)と呼ばれることもある。花騎士のホオズキがヘビのお供を連れカガチの名を冠する必殺技を使うのも頷ける。

その形から、日本ではキクやリンドウにも並ぶ、お盆のお供え物としてメジャーな花。 ……まあ、供えられるのはもっぱら果実の方だが。
花が散った後は六角形のがくがどんどんと大きくなり、最終的には提灯を思わせるあの特徴的な形となり、中の果実を覆い隠してしまう。
ナス科ということもあり、がくを剥くと中にはトマトの様な光沢のある小さな丸い果実が付いている。
果実の皮は弾力が強く、昔はガムの様に噛んで遊ぶ子供もいたとか。また、ホオズキ笛と言って実の中身を抜き皮だけにしたものを鳴らす遊びも有った（詳しくは検索してみよう）。
ただし実の味は苦く、その上腹痛を起こす成分が含まれているので要注意。

実は平安時代から根や全草を生薬として用いられていて、登呂根・酸漿の名で咳止め・解熱・利尿など消炎効能があるとされている。
ただし強い子宮の緊縮作用もあるので、妊婦には厳禁。
ナス科のアルカロイドは用法・容量を守って正しく使いましょう。

ちなみに食用に品種改良された種も存在し、一部地域や道の駅で販売されている他、ホームセンター等で種が売られてる事も。
相変わらず独特のがくに覆われているものの実の形は完全にトマト。愛称もストロベリートマトだが、あくまでホオズキである。ホオズキである。
味についてはフルーツトマトにベリー類の甘みを加えたような味わいで中々に美味で、ストロベリートマトの愛称にも頷ける。トマトじゃなくてホオズキだけどな。

大豆栽培圃場では近縁種のヒロハフウリンホオズキ(1828年に日本へ侵入)やオオイヌホオズキ(S. nigrescens)などが厄介な雑草として駆除対象に。
ホオズキ『・・・まぎらわしいのきぃ・・・』

東京浅草の浅草寺で、毎年7月9日・10日に催されるほおずき市。
ホオズキの鉢や飾りの屋台が100軒も並び、夜まで賑わう盛大な市だ。
「一日限定、参拝時の功徳ポイント4万6千倍」というぶっ飛んだキャンペーンに合わせて開催されるこの市は、元々は芝にある愛宕神社の縁日で開かれていたらしい。
薬草として、子供の夜泣きや癇癪(を、引き起こす寄生虫の駆除)などに効くとされて大人気だったようだ。

ついでにこの日、浅草寺では二日間限定で雷除けの御札・お守りが販売される。
赤とうもろこしを軒先に吊るした農家が雷の被害を受けなかった→赤とうもろこしが雷除けに
赤とうもろこしが不作の年で買い求めるのが難しい→じゃあ雷除けの御札売るよ、いっぱい人が来る日に
という流れで始まった慣習らしい。

ホオズキと雷。
一見すると何の関わりも無いように見えるこの二つを、江戸の頃から続くほおずき市が取り持っている。