カテゴリー:封印指定植物 (植えてはいけない植物)
クラス:アサシン (恐ろしい繁殖力でひたすら増殖。取りつくしたと安心していると他の草の間に潜んでいる)
ランク:C (地域内汚染を招く可能性が高く油断大敵。)
アイビーはウコギ科キヅタ属の総称であり、学名のヘデラ(Hedela)と呼ばれることも多いツル性の植物である。
主な種であるセイヨウキヅタ(H. helix)はヨーロッパや西アジアにかけて広く分布し、日本にもキヅタ(H. rhombea)という種が自生している。
先が3つに割れた葉の形が特徴で、園芸品種では斑入りのものも人気が高い。
花はとても小さく地味だが、白い小花が球形に密集して咲き、同じウコギ科のヤツデとよく似ている。
アイビーの花はある程度年月の経った株にしか咲かず、花期も短い上に、園芸品種では花をつけないものも多いため、見られることは稀である。
アイビーは使用用途が多く、観葉植物の寄せ植え、ハイドロカルチャーの素材など、耐寒性も強いので、戸外のグランドカバー、花との寄せ植えの素材、ベランダの手すりなどに誘引して目隠しに利用されたりしている。戸外では秋になると寒さで赤く紅葉する種類も。
(アイビー「計 画 通 り 」)
蔦は絡まり 身は朽ち果てて
思い出の欠片 土に帰り
また 花となるでしょう
Like a merry-go-round & round
また 春に会いましょう
耐寒性が強く、痩せた所や日陰でも容易に育つため、安直に植えてしまうことが多い。
しかし一度植えるとその繁殖力を否応無しに実感する。
樹木に張り付き、ブロックに張り付き、雑草の中に潜り込み、いつの間にか覆いつくすのである。
落葉樹の下は特に悲惨で、増えすぎたアイビーを全て取り尽くしたと思っていても、少しでも残っていれば落ち葉の下から再び這い出てくる。
アイビーは滅びぬ!何度でも蘇るさ!
植えるときにはぜひ注意して欲しい。
アメリカの多くの地域ではアイビーは侵入種に指定されており、オレゴン州では輸入と販売が全面的に禁止されているなど、完全に危険物扱いである。
要するにアイビーとはツタ(蔦)のことなのだが、単にツタと言った場合にはブドウ科ツタ属(Parthenocissus)の総称、特にツタ(P. tricuspidata)'を指すことが多い。
両者はよく似ているが、それぞれ異なる目(ツタの属するブドウ科はブドウ目、アイビーの属するウコギ科はセリ目)に分類される植物である。
どちらもひっくるめて日本語では単にツタ、英語では単に"ivy"と呼んでしまうことが多いが、
英語では日本にも広く自生するツタをただのアイビーと区別して"Japanese Ivy"と呼ぶこともある。
一方日本語では、アイビーのことをフユヅタ(冬蔦)と呼ぶのに対して、ツタのことをナツヅタ(夏蔦)と呼ぶことがある。
ちなみにツタの花言葉は「永遠の愛」「友情」「誠実」「勤勉」「結婚」など、アイビーとほとんど同じ。混同されているのかもしれない。
絡み付いて離れないことが花言葉の由来。「一生付き添い離れない」という意味をこめて、日本のゲイシャ達は好んでツタの葉の紋を身につけたという。
甲子園球場を覆っていたことで有名なあの蔦は、片方がツタで、日陰の方はヘデラが覆っていたようである。(ウコギ科を植えた、とある)
この蔦はリニューアル工事に伴いいったん取り払われ、外壁をレンガで覆った後に再び植えられている。
蔦は、2000年に高校野球20世紀メモリアル事業の一環として全国の高校野球連盟加盟校4,170校に配布され現在も育てられている。
そのうち生育状態の良い苗が233校から集められ、2008年6月14日、「ツタの里帰り」として甲子園に植えられ始めた。
この233校の名前を刻んだ銘板がレフトスタンド照明塔支柱の根元にある。
約10年がかりで蔦に覆われた外壁に戻る予定だそうだ。
以下追記
キヅタ属(ヘデラ)を総称してアイビーと呼ぶこともあるようだが、
以下ではキヅタ属の代表品種であるセイヨウキヅタを説明する。
セイヨウキヅタ(アイビー)
科属名:ウコギ科キヅタ属
学名:Hedera helix
英名:ivy、 common ivy、 English ivy、 European ivy
和名:西洋木蔦(セイヨウキヅタ)
別名:アイビー、ヘデラ、へリックス
原産地:ヨーロッパ 北アフリカ アジア
開花期:9~12月
誕生花:1月21日、11月16日、12月3日、12月4日、12月20日
花言葉:「不滅」「不死」「永遠の愛」「友情」「誠実」「信頼」「破錠のない結婚」「死んでも離れない」
○セイヨウキヅタとは
セイヨウキヅタは、ヨーロッパや西アジアのほとんどの地域で自生しているウコギ科の被子植物である。常緑のつるは、横方向に伝って成長し、家の壁、木の幹、庭園、ゴミ捨て場を覆い尽くす。新たに侵入してきた地域では、侵入生物種として扱われている。
セイヨウキヅタは、 常緑のつる植物であり、高さ20-30メートルに成長し、細根を利用して、崖や壁などによじ登って成長する。また、垂直面以外の場所でも地面を覆うようにして成長する。
葉は互生で、長さ50-100mm、葉柄は15-20mmである。葉は若葉のときは掌状で5裂であるが、成葉になると切れ込みが見られず心臓のような形となる。 花は、それぞれ直径3-5センチであり、小さな緑がかった黄色をしている。そして蜜が豊富にあり、晩夏から晩秋までのミツバチや他の昆虫のための重要な食料源となる。 果実は直径6-8 mmで、冬の終わり頃に橙黄色から紫黒色に成熟する。人間にとっては有毒であるが、多くの鳥にとっては重要な食料である。
果実には種子が5個あり、鳥に食べられることにより、広範囲に種子が散布される。
○由来
学名のヘデラ(Hedera)はツタの総称である。小名のヘリックス(helix) は古代ギリシャ語の「ねじれ」を意味する言葉から派生した。
○自生範囲
セイヨウキヅタは、アイルランド北東部、スカンジナビア半島南部、ポルトガル南部、ウクライナ東部、イランおよびトルコ北部にかけて自生している。 北限地あるいは東限地は冬になると約-2℃になるが、西限地と南西限地では、他種のキヅタに遷移している。
○栽培と用途
セイヨウキヅタは、観賞植物として広く栽培されている。自生地では、他の生物を数多く集めている。花には、70種以上の昆虫が蜜を求めて集まり、少なくとも16種の鳥が実を食べている。葉は密集した状態になることから緑の避難所としての役割を提供し、また、シカの餌となる。
セイヨウキヅタは、管理していないと、すぐに生垣、木、境界線を超えて侵入し、庭園の厄介な植物となり、管理されていない空き地にも侵入することがある。栽培品種として30種以上あり、黄色、白、 多色(例えば「氷河(Glacier)」)、葉に深い切れ込みがあるもの(例えば「Sagittifolia 」)、紫色の茎、矮小品種などのような特徴をもつ品種が選抜されている。
○侵入生物種
セイヨウキヅタは、他の外来種のように主に人の手によって世界中に広がった。セイヨウキヅタはアメリカの多くの地域で侵入種として指定され、オレゴン州では、販売または輸入は禁止されている。
第三紀の現在より湿度の高かったとき、温帯雨林が地中海沿岸の地域を覆っており、その名残としてゲッケイジュとセイヨウヒイラギが広く自生している。氷河作用により、セイヨウキヅタはいったん姿を消したが、温暖な気候に戻った時、鳥により再び大陸に広がったと考えられている。 セイヨウキヅタの適用能力により、原産地であるヨーロッパと似た気候であればどの地域でも生育することができ、いくつかの種への分化も見られている。
○建物への被害
古い建物の壁を覆うアイビーの姿は、多くの場合魅力的な光景である。断熱効果の利点があるが、管理されていなければ問題が生じる。特にセイヨウキヅタは、非常に急速に成長し、茎全体に沿って生えてくる細根によってしがみつく。これらは、壁に見苦しい「あしあと」を残すことになる。除去するのが困難であり、場合によっては高価な再舗装作業を行う必要が出てくることもある。さらに、溝や屋根裏に侵入し、タイルを持ち上げて、排水路を塞ぐこともある。そのことが、ネズミなどの厄介生物の住処となる場合もある。再び生えてこなくするには、根元で切断し、切り株を掘り上げて根絶やしにする必要がある。
○参考文献
「ウィキペディア セイヨウキヅタ」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%83%A8%E3%82%A6%E3%82%AD%E3%83%85%E3%82%BF
「ヤサシイエンゲイ ヘデラ(アイビー)」http://www.yasashi.info/he_00008.htm
「花言葉 花の持つ言葉 ヘデラ」http://www.language-of-flowers.com/hana/se-521/
「魅る魅るガーデニング アイビー」http://www.teych.com/12ghana-04.html
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