ヤツデ
科属名:ウコギ科ヤツデ属
学名:Fatsia japonica
英名:Japanese Aralia
和名:八つ手、八手
別名:テングノハウチワ(天狗の羽団扇)
原産地:日本
開花期:11月~12月
誕生花:11月24日、12月13日、12月27日、12月29日
花言葉:「分別」「親しみ」「健康」「判断力」「固い絆」
○ヤツデとは
日本原産の常緑低木で、本州の福島より南~沖縄まで広く分布する。日本では古くからごくふつうに親しまれており、庭園や公園にもよく植えられている。ヨーロッパには1838年に入ってきたという記録が残っており、今では世界で広く栽培されている。
厚みのある葉は深い緑色で通常7~9、多くて11くらいに裂ける。裂ける数はたいがい奇数である。表面には光沢があり葉の縁は細かいギザギザになっている。その特徴的な葉姿から、テングノハウチワの別名がある。
冬も落葉せずに大きな葉が茂っているので目隠し用の庭木として利用される他、大きな手のような葉が人を招くという「千客万来」の縁起を担いで玄関先や門の脇に植えられることもある。また、大きな葉っぱが魔物を追い払うとも言われている。日陰でも元気に育つので、あまり日当たりの良くない場所にも植えることができる。
11月頃に球状にまとまった白い小花がたくさん咲き、果実を付ける。果実は翌年5月頃に黒く熟す。
葉を乾燥させたものは「八角金盤」と呼ばれる生薬になり、去痰などの薬として用いられる。しかし、葉などにはヤツデサポニンという物質が含まれ、過剰摂取すると下痢や嘔吐、溶血を起こす。このため、昔は蛆用の殺虫剤として用いていたこともある。古い鉄道駅の一角に栽培されていることが多いが、これはかつて汲み取り便所の蛆殺しにその葉を使っていたためである。
○品種・その他の仲間
青葉の他に葉のフチに白い斑のはいるフクリンヤツデ Fatsia japonica'Albo-marginata'、不揃いに黄色い斑のはいるキモンヤツデ Fatsia japonica'Aureo-variegata'、葉脈に沿って黄色い斑のはいるキアミガタヤツデ Fatsia japonica'Aureo-reticulata' などの斑入り品種がある。南西諸島に分布する、全体的に線の細いものはリュウキュウヤツデ Fatsia japonica var. liukiuensis と呼ばれ、変種として扱う。
近い仲間に、タイワンヤツデ Fatsia polycarpa 台湾に分布、ムニンヤツデ Fatsia oligocarpella 小笠原諸島に分布(アメリカ合衆国ハワイ州にも野生化)がある。
また、ヤツデとセイヨウキヅタとの属間雑種ツタヤツデ(ファツヘデラ) X Fatshedera lizei は、観葉植物として栽培される。
なお、外見的に似ているが縁の遠いものにカミヤツデ Tetrapanax papyrifer(カミヤツデ属)、よく似た葉をつける草本にクサヤツデ Ainsliaea uniflora(キク科モミジハグマ属)など、「ヤツデ」の名を持つものは他にも多い。
○由来
ヤツデの名前は葉が複数に大きく切れ込むところに由来し、漢字で書くと「八つ手」である。ちなみに「八つ」は数を表しているのではなく「多い」という意味のようである。また、日本で古来より「八」は末広がりで縁起の良い数字でもある。
属名のファスティア(Fastia)は八手を音読みした「はっしゅ」もしくは、八手の「八(はち)」に由来するとされているが、はっきりとは分からない。種小名のヤポニカ(japonica)は「日本産の」と言う意味である。
○参考文献
「ウィキペディア ヤツデ」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%84%E3%83%87
「ヤサシイエンゲイ ヤツデ」http://www.yasashi.info/ya_00004g.htm
「花言葉 花の持つ言葉 ヤツデ」http://www.language-of-flowers.com/hana/se-532/
|