ヒョウタン のバックアップ(No.46)

だけど僕らはくじけない 泣くのは嫌だ笑っちゃおう
進め！

ヒョウタン(瓢箪、Lagenaria siceraria var. gourda)はウリ科ユウガオ属の一年草。
かんぴょうの材料になるユウガオ(L. siceraria var. hispida)とは分類上同一の植物であり、それぞれ別の変種という扱いになる。
(「var. ～」は変種を意味する)

くびれた形の実が有名だが、それ以外の形の種類もある。
また、未熟果に物理的に干渉することでくびれを形成することもできる。
ヒョウタンを含むウリ科の植物は果肉にククルビタシンという苦味成分を含み、摂り過ぎると嘔吐・下痢などの中毒症状を引き起こす。
ユウガオと異なりヒョウタンは食用に向かず、実を加工して容器として用いることが多い。
作り方はざっくり言えば「熟した果実の果肉を取り出して乾燥させる」というもの。

1. 基本的にはヘタの部分から穴を開け、中の果肉を棒などでほぐし、水を入れた容器に沈めて果肉を腐敗させる。
2. その後腐敗した果肉を流し、再び綺麗な水に浸けて臭いを抜き、さらに陰干しをする。
   作業の際に果肉の腐敗臭が手に付くと非常に落ちにくいので、ゴム手袋などで対策しておくといいだろう。
3. ここまで終わっても中の臭いが抜けない場合は酒や番茶など臭い抜きに使える液体で満たして臭みを抜く。
4. 中の処理が全て済んだら器の表面に漆などで加工を施して仕上げる。

ヒョウタンの栽培の歴史は非常に古く、最古の栽培植物の一つに数えられる。
原産地はアフリカで、そこから他の地域に広まっていったと考えられている。
ヒョウタン加工品は日本は勿論のこと、原産地のアフリカ等の南米の地でも水筒としてよく用いられていた。
酒の容器としても有名で、西遊記に登場する妖怪「金閣・銀閣兄弟」は吸い込んだものを溶かして酒へと変えてしまう「紫金紅葫蘆(シキンベニヒサゴ)」という呪いのヒョウタンを使っていた。

種や草本として生命力が強く、乾燥した種子が海水に曝されても発芽することがある。
また、その強靭さからウリ科植物の接ぎ木の際に台木として使われることもある。
その生命力の強さから、一族繁栄を祈る縁起物としても用いられる。豊臣秀吉が馬印に瓢箪を使った例などが有名だろう。