カカラ のバックアップ(No.7)

カカラ(Smilax china)はサルトリイバラ科シオデ属の多年生植物。
科名の通り標準和名はサルトリイバラで、これ以外にもガンタチイバラや地方固有の呼称などを含め300以上の呼び名があるとされる。
かつてはユリ科に含まれていたが、最新のAGP体系ではサルトリイバラ科に分類される。
なおサンキライという呼称もあるがこれは本来は同属のドブクリョウ(S.glabra)のことで、
ドブクリョウは生薬として用いられるが、伝来する際に誤認されてしまったことが原因だと思われる。

サルトリイバラは文字通り猿捕茨(猿取茨)と書く。
葉には一対の巻きひげを持ち、茎には鉤状の棘がある。
花は淡い黄色で目立たないが、実は赤く非常に目立つ。
名前の由来は蔓のイメージから猿が捕まる棘のある植物ということからという説や、実を猿が好む(猿が取る)茨など諸説ある。

四国など関西圏以南では葉を柏餅を包むために用いり、この葉をカカラン葉と呼ぶことが「カカラ」の由来。
なお「かからん」は鹿児島の方言で直訳すると「関わらない」で、棘や蔓を持つサルトリイバラに関わるなということからだろう。

カカラン葉については鹿児島で作られる草餅の一種である「かからん団子」にも用いられ、
どちらかといえばカカラの名前の由来はこちらの方かもしれない。
製法としては普通の草餅同様に餅米をベースに蓬を加え、餡子を包むか練り込むかしたものをカカラン葉で包む。
材料に使うカカラの葉、蓬、小豆などには殺菌作用があると言われ、傷みにくくするための手段でもあったようだ。
また「かからん」を掛詞として「病気にかからん」ということで縁起物として端午の節句では柏餅の代わりにかからん団子が食べられている地域もある。