ナツメ のバックアップ(No.6)

毎晩棗を1つずつ食べたので　毎晩棗が1つずつ減りました
もしも棗が1つもなくなったら　私は何をして夜を過ごせばよいのでしょう

ナツメ（棗、Ziziphus jujuba）はクロウメモドキ科ナツメ属の落葉高木。西アジア～中国原産。
漢字の「棗」は中国語に由来し、和名の「ナツメ」は夏に芽吹くことから。
東アジアにおいて、古くから実は食用・薬用に、種は薬用に用いられてきた。
大樹に育つので庭木としても立派なうえに、材木は強度もあり使い込むほどに色艶が増すので、仏像や印鑑など高級小物に用いられる。
用途の広い樹木であり、花騎士のナツメが「私はなんでもできる」と語るのも伊達ではない。

樹高は10mからときに15mにまで成長する。
枝には鋭いとげが無数にあり、夏芽の名の通り初夏に新しい葉を茂らせる。同じく初夏に径5～6mmで黄緑色の小さな花を無数に咲かせる。
花が散った後に直径2～3cmの緑色の実がつき、9月～11月にかけて赤褐色に熟したら食べごろである。

実は大きな種が入っている分可食部の歩留まりは良くないが、生食だとリンゴのような甘みと酸味がある。
またドライフルーツ（干しなつめ）にして古くから保存食や旅人の携帯食として用いられてきた。
乾燥果実は「大棗（たいそう）」、種は「酸棗仁（さんそうにん）」という生薬として用いられる。
葉酸・カリウム・鉄・銅などを多く含み、古くから貧血によい果物とされてきたほか、漢方では鎮静や催眠の作用があるとされる。
冒頭の歌詞は中学校などで歌われる合唱曲『棗のうた』の一節だが、つまり棗の実を睡眠薬として毎晩服用していたのが、
棗の実が尽きてしまったら眠れない夜をどう過ごせばよいのか、という歌詞である。意味が分かると意外と怖い。