ガラスの靴で踊るミモザ 金色の甘いキスを
連れてゆくよ君がいれば きっと最後の恋さ
マメ科アカシア属の常緑高木で、原産地はオーストラリアやタスマニアなど。
アカシアのページにも解説があるが、実は「ミモザ(mimosa)」というのは
本来は同じマメ科のオジギソウを指す(オジギソウの学名がmimosa)のだが、
かつて19世紀頃にイギリスで南仏産のフサアカシアの切り花を輸入し始めた時に、この花の葉がオジギソウと形が似ているために
「ミモザ(mimosa)」と呼んでいたのが広まったもの。
ミモザとは、葉に触れると閉じて下向きに垂れ下がる動きが、古代ギリシアの身振り劇『ミモス』のようだということから付いた名前で
そこから時代が下ってオジギソウに似た葉の植物の総称となり、やがてフサアカシアのことを指すようになったわけである。
ちなみに、フサアカシアを含むアカシア属の葉もオジギソウの葉も同じマメ科ということでよく似ているが、
アカシア属の葉はオジギソウとは異なり、触っても葉をたたんで倒れたりはしない。
現代では、カクテルの名前が花の色(オレンジがかった黄色)から取られていたり、「ミモザエッグ」が炒り玉子のことだったりと
一般的な意味で「ミモザ(mimosa)」といった場合には、ピンクの花をつけるオジギソウのことではなく、
黄色い小さな花が房状に連なって咲くフサアカシアのことを指すことがほとんどのようである。
また日本では更に特殊な事情があって呼び方に混乱が見られるのだが、一般的に日本で「アカシア」といった場合は
たいていの場合「ニセアカシア(ハリエンジュ))のことを指すことが多く、
(この辺りの事情については、アカシアのページやハリエンジュのページにも解説があるので、ご参照を)
逆に「ミモザ」という名前はフサアカシアやギンヨウアカシアなど、アカシア属の一般的な花をまとめて指す場合が多い。
(ギンヨウアカシアの日本語での別名が「ミモザアカシア」であることからも分かる)
特に日本では背が高く手入れが面倒なフサアカシアよりも、やや小ぶりで日本の気候でも育ちやすいギンヨウアカシアの方が
公園や街路樹に植えられていることが多いため、日本語で「ミモザ」と言った場合には、たいていの人が思い浮かべるのは
実はギンヨウアカシアの花である。
ただし、このゲームでの解釈は(おそらくだが)
- ミモザ:欧州(特にイギリス・フランス)で一般的な、フサアカシアのこと
- アカシア:日本で(アカシア属としては)一番多く見られる、ギンヨウアカシアのこと。日本で一般的なニセアカシアのことではない
- ハリエンジュ:ニセアカシアの別名のことを、そのまま
とされているようである。
ミモザとアカシア(ニセアカシアではなく)をこの文脈で区別するのは難しく、またあまり区別する必要も本来はないのだが
同じ花のことを指すのではゲームで実装できないので、あえて(一般的な言葉の意味と多少ずれるのも承知の上で)
上のように解釈して区別したものと思われる。
※このような解釈の例は、レインリリーとゼフィランサスを「双子だが別々の花」として実装した例にも見られる。
(レインリリーは一般的にはゼフィランサス属およびハブランサス属の別名だが、あえてハブランサスのこととし、ゼフィランサスと区別した)
ゲーム内の本人のセリフにもある「香水好き」という設定だが、これはミモザ(フサアカシア)が
アーモンドとハチミツを合わせたような良い香りを持ち、精油や香水の原料となっていることから来たもの。
南仏のコート・ダジュール地方辺りでは、2月の終わりになると辺り一面にミモザの花が咲き乱れ香りを振りまき、
ミモザ街道上にあるマンドリウー・ラ・ナプールでは1931年から毎年、ミモザ祭りが開かれて世界中から観光客を集めている。
日本では梅が冬の終わりと春の訪れを告げる花と見られているが、フランスではミモザがその役目を担っているのである。
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