ポテト のバックアップ(No.10)

オレはポテトだ！

ポテト(和名:馬鈴薯 俗称:ジャガイモ 学名:Solanum tuberosum L.)とは、ナス科ナス属の多年草の植物である。
そしてもはや説明不要なレベルで世界中に息づく炭水化物源である。
日本で一般に知られる「ジャガイモ」の呼び名は、17世紀にオランダとの交易でもたらされた際、
ジャワのジャカルタから伝来した、またはジャワ島の芋という意味で「ジャガタライモ」と名付けられ、
それが縮んで「ジャガイモ」として定着したといわれている（諸説あり）。

南アメリカのアンデス山脈を原産地とし、比較的痩せた地であっても育つ特徴を持つ。
ナス科ということもあり、咲かせる花はナスやトマトに近い系統で、花の後に出来る実もプチトマトに似ている。
（ナス科なのでナス科特有の毒素「ソラニン」の塊であり、食えたもんじゃないが……）
実際、ポテトとトマトの遺伝子を掛け合わせた「ポマト」なる雑種も生み出されたが、
どちらの特性も発揮できない失敗作だったため、歴史の闇に葬り去られている……。

ポテトはあの麦と小麦、米、それらに肩を並べる穀類である。そう、毒草でありながらも穀類なのだ。
芋部は芽吹いてさえいなければソラニンの含有量はほぼ無いに等しいレベルとなっており、
それを茹でたり煮たり焼いたり蒸したり干したり摩り下ろしたりすることで美味しくいただくことが出来る。
揚げればフライドポテトにポテトチップス、蒸せばじゃがバター、煮れば肉じゃが、茹でればジャーマンポテト、潰せばマッシュポテトにコロッケ。
小麦やお米並みに何でも出来る凄いやつ、それがポテトである。
15～16世紀にインカ帝国を擁する南米から旧大陸へと伝わり、中世ヨーロッパの食糧事情改善に大きく貢献している。

ちなみにジャガイモというように「芋」なのだが、実はポテトの可食部は根っこではない。
肥大化した地下茎、要は茎が変異して芋状になったものだったりする。
同じ芋であるサツマイモは根っこが変異したものだからややこしい。まあ、あちらはヒルガオの仲間だから、ナス科のジャガイモとは根本的に違うのだが……。